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映画アニメ「時をかける少女」レビュー

 「時をかける少女」と言えば、原田知世の同名歌と化学室の記憶が印象的で内容はウロ覚えだったので、今回のアニメ版を見ながら、こんなにタイムリプレイな話だったのかと新鮮な思いがしました。
 主人公の紺野真琴が実に生き生きと現代的で、「時が戻ればいいのに」の使い方が、“小テストで良い点を取る”“妹に食べられたプリンを食べる”“カラオケで10時間歌いまくる”などと実に日常的で他愛もなかった前半が、後半にはオセロがひっくり返っていくように少しずつ人の運命を狂わしていく…というシリアスな展開になっていきます。
 そこに主人公と男のコ二人の仲良し三人組だったのに、恋が絡んで仲の良い三人でいられない…という青春ストーリーも進行。今の仲良しな状態を壊したくない真琴は、「俺と付き合えば?」という一方の男のコ(間宮千昭)の告白を聞かなかったものとして、タイムリープしている内に、実は千昭の事が好きだったんだと気付いたけれど、その時には戻れない場所まで来ており…という切なさ満開。
 「人が大事なこと話してるのに、それをなかったことにしちゃったの。なんでちゃんと聞いてあげなかったのかな」と真琴が涙ながらに言う場面は胸がイタイです。
 ラストは、未来へ帰っていく千昭が「未来で待ってる」と言い、真琴は 「うん、すぐ行く。走って行く」 と明るく答えるのですが、私はこの終わり方では元気になれなかったです。やっぱり真琴がなかったことにしてしまった言葉を、何らかの形で千昭にもう一度言ってほしかった
 元祖時をかけた少女(芳山和子)は、真琴の叔母として出演しており、今も「いつか必ず戻ってくる」と言った彼を待つともなし待っている様子として描かれており、つまりいまだ会えていない様子。大林宣彦監督版の時は、実写版というある意味陳腐さもあって、あまり現実感なく見れましたが、今回のアニメは映像も綺麗でディテイルに「こういうのってあるある」と思えるリアルさがあり真琴がひたむきなだけに、ラストが実に切ない、切なすぎます。真琴ならば、「未来で待つ彼」という希望を持って絵を守りながら逞しく生きていくのでしょうが、私には二人はもう二度と会えないようにしか思えなくて、それだけにちゃんと言ってほしかったなぁとやるせない気持ちになってしまうのです。きっとあのラストの解釈で、随分印象が異なる映画なんだろうなぁ。
 何度も似たような歴史を繰り返す…という話では「リプレイ/ケン・グリムウッド」が好きです。あのラストは「今のこの時を大切にしよう」と肯定的な思いになれるものでした。タイムリプレイものでは、どんなに滑稽でもハッピーエンディングにしてほしいと思うのは、時というものへのささやかな抵抗なのでしょうか。

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