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2007年10月

舞台「ヴェニスの商人」/天王洲銀河劇場観劇レポ

070927_181710  日程がぽっかり空いていたので、何か舞台はないかと探したら藤原竜也、市村正親、寺島しのぶと豪華キャストの舞台「ヴェニスの商人」が折り良く上演されているではないですかっ♪藤原竜也は一度見てみたかったし、キャストも芸達者が揃って面白そう!おおよそ映画等でもキャストが豪華ですと、作品はそれ程でもなかったりしますがこの3人は安心して観ていられました!さっすが~♪
 しかも演出(グレゴリー・ドーラン)のテンポも芸術(マイケル・ヴェイル)のセンスも良く、実に素敵でした。開演時間前から、音楽家や出演者達が仮装姿でロビーを歩きカーニバルの雰囲気を高めてくれるのも楽しかったです。そうそう、入場時に貰った折込チラシに、「カリギュラ」のチラシが入っていたのも嬉しかったです。(笑)

070927_181413  バサーニオな藤原竜也は、華奢な体つきなんですけど、この色気と華は一体どこから出てくるのでしょう!?という位に、舞台に現れると目を惹きます。アントーニオ(西岡徳馬)に甘える場面や、シャイロック(市村正親)とこづきあう場面なんて、じ~つに魅力的♪声もよく通りますしね。立ち上る色香とオーラに唖然としながら観ていました。3つの箱での扮装もこなしていましたし、面白い役者さんです。ただ、ポーシャ(寺島しのぶ)との絡みはお互い、他の人と組んだ時に比べて通りいっぺんなのは演出なのかしら?
 その寺島しのぶは、初め、未婚の女性という設定はいまひとつ無理がある気がしたのですが、舞台が進むにつれ、ポーシャの賢さやしたたかさと健気さをよく演じていましたし、侍女(佐藤仁美)とのコンビの息がよく合っていました。
 シャイロックの市村正親も、前半の憎めないおちょくりぶりから、後半のシリアスで悲痛な訴えまで、幅広く演じています。市村さんはどこか明るさのある人なので、シャイロックを演じても観ている者が何がしか救われる思いがしました。カーテンコールでも、ステージ中央まで歩いてくる時に飛び跳ねておられましたしね。お茶目な人です。(笑)それにしても劇中、ずっと長セリフ&早口なので、皆さん、よく舌がまわるものです。

 唯一ひっかかったのは、物語が「ヴェニスの商人」であったこと。。。以前、物語を読んだ時に、シャイロックの顛末が微妙に納得いかなかったとうっすら記憶していたのですが、今回、舞台を見ると益々ひどい物語に思えてきました。いっその事、悲劇だったらすんなりと納得できるんですけど、これが中途半端に喜劇の部類に入るのがどうにも神経に障ります。せめて改宗を迫るのだけは止めてほしぃゎ。
 ただ、この物語の題名でもある「ヴェニスの商人」すなわち、商人的観点からこの物語を見ると、筋が通っている物語なのかもしれません。勝てば強者で徳ある者と褒めそやされる、負ければ全否定され根こそぎ持っていかれる世界商売人根性が問われている物語なのか・・・?舞台自体は「観てよかった!」と大満足でしたが、もう一度観たいかと言われるとこの物語では、もはや行かないでしょう。。。でも、役者だったらシャイロックは演じてみたい人物なんじゃないかな。
 藤原竜也の別の舞台を観てみたいです♪

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西本智実/日本フィルSONIC CITYさいたまシリーズ2007第43回さいたま定期演奏会/大宮ソニックシティホール(埼玉)鑑賞レポ

 「悲愴」聞きたさに。春頃張りきって取った大宮公演。チケットを取ってから、横浜公演のお知らせがあったような?そのためかチケットは取りにくかったので、関東圏はチケット争奪が激しいという印象が強いです~。

【演目】
モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」より序曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」

 さて、この日の東京は夏日が続いておりとにかく暑い!前日の興奮(これは別件ですが)と当日朝からとにかく忙しかった事もあり、大宮に向かう時は、体力気力がかなりへばっておりました。おまけにシンフォニーホールの時の感覚で会場へ向かったら、会場は30分前からという事でまた出直し。微妙な違いだけれど、開場は1時間前からの方がゆったりしていてイイなぁ。ここはひとつ、西本さんの指揮と演奏で疲れを立て直そうと思いながら座席に着きました。
 大宮ソニックシティホールは、思ったより広いホール(2500名収容)で、近代的な作りではありましたが、市民ホールな様子。客層は、日フィルをよく聞きにくる人or地元市民が集っているような印象でした。
 私はまたも端の方の席だったので、聴覚より視覚だと、今回はオペラグラスを駆使しながらの鑑賞。シンフォニーの時も持っていっていましたが、あの時は周りもあまり使っていなかったし、なにしろ向かい(パイプオルガン側)にも人がいるので遠慮してましたが、今回は、結構オペラグラスで見ている人も周りにいたし、向こう側から見られる(?)心配もなかったので多用してました。西本さんの表情を見れるのも魅力ですが、今回は西本さんの指先に注目!指先を見ながら音を聞いていると、見えない指先から何かが放たれているのが感じられるようで、実に面白いんですよ~。

 モーツァルトの歌劇「後宮からの逃走」序曲は実に軽やかで、西本さんのモーツァルトをもっと聞いてみたいな~。

 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、漆原朝子さんが赤いドレスで登場。どうでもイイ話ですが、漆原さんは青いドレスの方が似合うんじゃないかなぁなどとも思ったり。漆原さんの演奏は、几帳面な感じがするような音色かな。第2楽章だったか、しっとりとした曲調が良かったです。音響も影響したのか、オーケストラのみの演奏になると息をひそめていたものが、ぱぁっとはじけるように伸び伸びとしていたのが印象的でした。クラスの副委員長と生徒たち、みたいな。(笑)

 そしていよいよチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」!!CDで聞いていた時は聞こえにくかった第1楽章の始め。実際にオーケストラで聞くと…あれ?ハッキリ聞こえるじゃないですか。ffの場面では大音量に鳴り響くのを聞いて、要するに私がCDで聞いていた音量が小さすぎたのだと判明。
 第2楽章のワルツも、西本さんは楽しげに指揮されているように見えました。
そして第3楽章の後半の西本さんの迫力ある指揮にはただただ圧倒され引き込まれるものがありました。第3楽章終了時は、元々拍手が起こりやすい構成というのも知ってはいましたが、あの指揮を見ていたら、拍手をしたい衝動にかられるのも分かる位の本当にスゴィ迫力があったのです(もちろん拍手はしてません)。もっとも、すぐに第4楽章が始まるので、ちょっと拍手は妨げになるかな?という間合いではありましたけれど。
 そして、そのテンションのまま第4楽章となり、第一・第二ヴァイオリンの掛け合いも聞き、ドラも鳴り響き、静かに音がひいていき、西本さんも両手を差し出したまま…しばしとどめん…の中、拍手とブラボーの声がかかってました。私は何が好きかって、押尾さんのコンサートでも、この演奏し終わって残音が残るこの瞬間が、生ならではの余韻があって大好きです。だけど世の中には、その演奏の感動をとにかく早く伝えたい!という人もいるんだろうなぁ。あの刹那が生の醍醐味のように思えるのだけれど。
 …とつらつら思っていたら、指揮者田久保祐一公式サイトのエッセイ集2000年7月で、“師匠が悲愴を指揮した時、第3楽章が終わった後に拍手が起こり、花束嬢まで出てきて花束を受け取った後に第4楽章を演奏して、主催者から「長いアンコールでしたね」と言われた”という豪快な話を見かけました。(笑) 恐るべし、悲愴・・・。
 西本さんは精魂尽き果てた様子で、カーテンコールに答える時も手すりに手を添えておられました。最後のカーテンコール時、楽団員を立たせようとした時に楽団員の人達が足踏みをされたので、自ら拍手に答えた後、皆で拍手に答えておられました。アンコールがなかったのは残念ですが、それだけ熱演だったという事なのか、はたまたお疲れだったのか・・・自分が疲れきっての鑑賞だったので判断はつかないですが、前者であってほしぃかな。
 西本さんの「悲愴」は、魂を揺さぶるものがありますね。

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